うつ病、うつ状態の診断と治療

グループ療法の活動も行っています
※参加ご希望は医師まで

内因性うつ病

入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒など、一定の睡眠障害を伴って、とにかく元気が出ない、頭がまわらず、仕事が進まない。気分がもやもやして、朝が辛い。午後になってようやくエンジンがかかっても、先のことが心配だったり、前のことをクヨクヨ悩んで抜け出せない。頭が重いし胸も苦しいし。何か悪い病気ではないか、みんなに迷惑かけている、一緒懸命働いても出来ないし、お金もなくなってしまう。食事も砂を噛んでいるみたいで美味しくない。生きているより、死んだほうが楽かも、等とつい考えてしまう。
このような症状が特に契機なく現れたら、うつ病です。診断的には、何か契機らしいイベントが見つかる場合に、内因性の判断が難しいとされますが、顔色を見れば明らかです。うつ病はお薬の内服と認知行動療法などで、必ず治る病気です。早めのご来院をオススメします。当院では最小限かつ充分な処方で、心理療法を併用することで安心安定した回復を目指します。さらに、ご希望により、検査としてはNIRS(近赤外線脳血流測定)、SPECT(脳血流シンチグラム)などの客観的検査、治療としてはrTMS(高頻度磁気刺激)やmECT(修正ECT)などの物療的理学療法の併用も実施中です。

外因性抑うつ状態

上司に怒鳴られた、大切な親族や友人を失った、災害で資産を失ったなど、心理的・経済的原因でうつ病になることがあります。こういう心因も外因と考えられています。もうひとつは、脳や身体の怪我や病気によって起こる場合で、こういった場合、器質因といってやはり外因の分類です。前者は心因反応、心因性うつ状態、後者は器質性うつ病、器質性うつ状態と診断されます。治療は原因の除去。心因であれば環境調整、器質性であれば、身体や脳の治療に準じます。

適応障害のうつ

心因反応の一種ですが原因が曖昧なもの、もしくは複合的な外的要因が想定されるようなものの場合、診断されます。会社に行くと必ず調子がおかしくなる等、明らかに状況依存的に症状が出現します。原因からの回避、隔離を始め、不十分であれば当事者本人のストレス耐性を高めるように、心理療法を併用して指導していきます。

非定型うつ病、 新型うつ病

最近、休日は普通に動けるし、遊びにも行けるのに、会社のある日は内因性うつ病そっくりの状態になって寝込んでしまうといった病型が、社会的にも注目され、わがまま病だといわれたり、新型とか非定型という形で分類されるようになっています。確かに、従来の内因性うつ病の概念の中で未熟型(笠原・木村の分類)と言われた亜型とも似て非なるものですし、晴和神経研究所の広瀬らのいうようないわゆる逃避型抑うつとも違っています。臨床家の頭を悩ませる今日的なテーマになっているわけですが、私見では患者様のおよそ三分の一が内因うつで時代性の軽症化によるもの、三分の一が重度の適応障害、さらに残る三分の一は高機能成人発達障害のうつなのではと見ています。治療はそれぞれの治療法に準じますが、いま、少数精鋭で企業に採用された20代後半から30代の若者たちの置かれている苛酷な就労環境や恋愛環境を踏まえて考えないと、問題の全貌は見えてきません。

そううつ病(双極1型障害)

いわゆるそうとうつを周期的に繰り返す病気です。昔に比べると典型例が減った印象がありますが、薬物療法が有効で、特効薬があります。よく誤解されるのがそうの時に、完全に爽快気分という方ばかりでなくて、家族関係のしがらみを極端に意識して突然離婚を切り出してくるとか、とにかくイライラするとかいうケースも多く見られ、そううつ混合状態と診断する場合もあります。こういう場合には、窮地に立たされたご家族のケアも併行しますが、医師の介入する範疇を超えてしまう場合が、しばしば見られます。

双極2型障害

そうの時期が病歴上確認出来るのですが、いずれも軽そう状態を超えないというケースが最近注目されています。本人も家族もそう状態であると認識していなかったり、そうの時期は比較的調子が良いので、通院も中断しがちで、医師も気づかず、ずっと単にうつ病として診ていたり、真面目に通院できないだらし無い人として諦めムードで診ていたり、混合状態を誤診して性格障害として診ていたりといった具合です。治療はやはりそううつ病の特効薬が有効ですが、成書には典型的な1型そううつ病よりも遥かに難治とされています。けれども、私見ではそうしたケースのほとんどに何らかの外傷体験が確認できることから、根本治癒に導入することも可能と考えています。薬物療法の繊細な調整と、心理療法とくに深層アプローチが有効性を発揮する局面です。

アスペルガー障害のうつ

アスペルガー障害はじめ、発達障害の人は一概に記憶力がすごいです。特に凄い人達をサバン症候群といったりしますが、そうした天才的な能力の反面、忘れない記憶力は嫌な出来事の侵入的な想起の反復を起こすので、辛いことを繰り返し繰り返し思い出すことになります。これが、発達障害のうつの特徴です。治療は脳の緊張を和らげる食事療法の徹底と怒りを抑える薬物療法の選択、さらに心理的境界(バンダリー)の強化に向けたエンパワメント、さらにミラーニューロンを鍛えるための心理療法を併用します。治療に時間はかかりますが、完全を目指さなければ、かなりのところまで改善します。ただし、極端な外傷体験があったり、実際に脳の外傷があると容易にアディクションに嵌まって、何人も彼を救い出すことは不可能になります。尚、高機能発達障害の方で、一般のうつ病や神経症と誤診されていることも多いのですが、そうなると、緊張した脳をかえって緊張させるような指導や投薬がされていることもあります。

トラウマのうつ

交通事故など、命に係わるような外傷体験を契機に、不眠・悪夢、フラッシュバック、意欲低下、感情麻痺、自閉・抑うつ、回避などの症状が出現する場合があります。下痢・腹痛などの自律神経症状が急性期から遷延して合併していることもあります。当院では、交通事故に伴う外傷後ストレス障害に対応出来るよう薬物療法・心理療法の研賛を重ねてきました。
適切に治療すれば、8~12週が治療期間の目安とされています。
尚、家族内外傷や虐待後遺症などの場合、直ちに専門医をご紹介するようにしていますので、御了承ください。

小児のうつ病

小児の場合は、大人と違って、あまりはっきりとした気分障害の症状を現さないのが特徴といわれています。何だか覇気がない、あまりしゃべらなくなった、頭痛や腹痛、手足の痛みをよく訴えるなどの症状がみられたら要注意です。実は親に話さなかったけれど、入眠困難や中途覚醒が潜んでいるということがあります。日中ボッーとして集中力がなかったり、寝ているのに、眠そうにしていたり、ということがあるようでしたら、是非当院にご相談ください。

高次脳機能障害のうつ

先に器質性うつ病、器質性うつ状態ということを説明しました。確かにアルコールやインターフェロンの影響や全身性エリテマトーデスなど自己免疫疾患に伴う器質性精神症候群には、うつ病・うつ状態は必発です。一方で脳血管障害に伴ううつ病そっくりの状態はアパシーといって特有な意欲障害であることが多かったり、脳外傷後遺症の場合、単体でのうつ病併発は、本質的な性格変化が皆無なのと同じくらい、皆無です。なので、高次脳障害に明らかな抑うつを認めた場合、見当識・自己モニタリングの回復による挫折反応や、外傷後ストレス障害の合併、受傷・発症前の心理的問題の浮上、アスペルガー障害の合併、内因性うつ病や適応障害の併発など、様々な観点から正確に診立てる必要があります。特に、挫折反応の場合、病的反応などとは違って、リアルな現実と当事者本人がまっすぐに向き合っているということですから、症状以前のところで、彼の苦悩と伴に向き合っていくという覚悟が、医療者の側に必要になります。

グループ療法・グループリハビリテーション

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